起業コラム
【起業事例】社会保険労務士事務所経営
2014.11.01起業コラム
起業した女性の事例をお伝えしていきます。
ご自分にあった働き方、活動の仕方の参考にされてください。
※写真はイメージです。 |
社会保険労務士 事務所経営 H先生 |
■事業内容:
企業に対する従業員の給与・保険・採用など人事・労務全般のアドバイスや書類作成
■経歴:
税理士事務所で税務の経験後、事務所の方針で社労士の資格を取得。税理士事務所内の社会保険労務士として勤務した後に退職、自宅開業・共同開業を経て、単独で事務所を開設、現在に至る。
■なぜ起業したのですか?
税理士事務所勤務中は子供が小学生で、育児しながら勤務することが厳しくなり退職しました。社会保険労務士は試験合格後に登録する必要があり、登記などの準備が整っていたため起業のハードルは低かったです。
■業務の内容を教えて下さい
企業に対して従業員の給与・保険・採用・退職時の手続きなどのアドバイスや書面作成、給与計算などを行っています。
顧客は士業の知り合いの紹介が多いです。ホームページなど強化すればもっとお客様が来るかもしれませんが、なかなか手が付けられていません。
給与計算などが何人分もあるなど作業分量が多い時は、協力してくれる他事務所などに作業を依頼して仕事を処理しています。
■起業時の準備はどうしましたか?
手続きなどは職業柄苦労しませんでした。税理士事務所勤務中に実務経験を積み、協力し合える司法書士などの士業の人脈があったのも顧客の紹介などが受けられ良かったです。
地元の行政施設の女性起業家セミナーや無料の起業セミナーなどいろいろ行きましたが、内容に大きくばらつきがありました。参加者の目的が明確で意識が高いセミナーは講師の方も熱意があり、得るものが多く刺激を受けました。無料でテーマが不明瞭なものより、有料でも質の高いものを受ける方がいいと思うので、色々検討されると良いと思います。
今は事務所を開設していますが、友人紹介の不動産会社で決めたため手数料などサービスがありお得でした。内装も友人に依頼しましたが、お友達感覚だったためか予定を大幅に遅れました。友人の協力はありがたいものですが、ビジネスとして線引きする必要があるときもあると思っています。
■起業してよかったこと
人と関わる際、代表者として見てもらえること、また代表者同士の対等な立場で話ができるのが、サラリーマンとしてみられるのと違った面白さだと思います。面白い人と出会い、熱く語る機会が増えたのが嬉しいです。
また、経営者なのでモノに対する目のつけ方が変わりました。例えば、こんな売り方があったのだ、と日常の中で常に勉強しようという目線を持つようになり、経済の面白さを感じることも多くなりました。
■起業後苦労したこと
自分一人分の仕事が出来ればいいと思っているので特にありません。ただ、特別な気負いも準備もなく起業出来てしまった分、心構えが甘い部分があり、戦略や資金などしっかり考えてやればより良かったかと思うこともあります。
■家庭と仕事
とにかく夫が理解ある人だったので問題ありませんでした。できないことはできないと伝え、家族の協力を得ることが大事かと思っています。
■これからについて
私は自分のペースで、自分が楽しく生きられる程度のお金が手元に残ればいいというスタンスで働いています。現在作業量が多い仕事がありますが、人を雇う気はないので、提携先に任せて自分は労務のアドバイスなどの付加価値の高いサービスに重点を置くなど、自分の負担を減らす工夫をしていきたいと思っています。
■起業したい方へのアドバイスをお願いします
自分ひとりが食べていくだけなら何とでもなるので、思い悩まずにまずはチャレンジしてほしいと思います。一度始めてしまえば、あれをやってもいい、これをやってもいい、と後からさまざまなアイディアが浮かんでくるものです。
大きい事業をしたいと考えているならそれなりの戦略やセンスが必要ですが、自分ひとりの小さい規模のビジネスならば、やる気さえあれば自分の気持ちの良い範囲で仕事をしていくことができる時代だと思います。